スピード練習
ハノンが活躍していた頃は、まだメトロノームが開発された(19世紀初頭)ばかりで、その性能も個体差があり不安定なものでした。ピアノもまた、現在のものより音域も狭く楽器の構造も違ったものでした。現代の楽器の性能やピアノ演奏者の技術を考慮すると、指示されていより速いテンポを目標に基礎練習を積むことが望ましいでしょう。
ハノンのメトロノーム指示
ハノン教則本に記載されているメトロノームの指示はいかのとおりです。(※いずれも4分音符1拍)
- 指の独立系/隣り合った2音系 60~108
- 指くぐらせ系/同音連打系 40~72(84)
- 音階系 60~120
- アルペジオ系 60~108(120)
- 分散音階系 60~108(120)
- 重音音階系/重音トリル系 40~84(92)
- 重音トリル系 40~92
- トレモロ 48~72
練習方法
この中で指の独立系、音階系、アルペジオ系のスピードをあげた練習をしていきます。スピード練習において重要なことは
- ポテンシャル+1割のテンポで速度を上げていく
- 数回弾いても両手がずれたりつっかかったりする場合は少し落とす
- 左手が弾けているかどうかを確認する
まとめ
楽器によってもスピードの上がり具合は違ってきます。アップライトは楽器の構造上、144くらいで違和感が出てきます。グランドピアノは調整のよい楽器なら上限は200を超えます。いずれにしても、無理はせず徐々にスピードを上げていくことが大切です。
教材と必須アイテム
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