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ベレンス 左手のトレーニング

2016年6月24日

ベレンス「左手のトレーニング」は、ハノン教則本やツェルニー実践的運指練習に、さらに重要なテクニックを習得できるピアノ基礎練習教材です。ピアノ演奏において本番でのアクシデントは左手に起こる事が多いため、特別に左手の練習をすることは必須です。

筆者はこのベレンス「左手のトレーニング」を基礎練習を取り入れたことで、格段に安定感と精神的安心感を得られたと感じています。

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ベレンスの内容

前半は器械的な音型のトレーニング、後半はメロディックな練習曲という構成になっており、その時に必要なトレーニングに合わせてさまざまな組み合わせで練習すると効果的です。

第1部 46のユーブンゲン

1~16番 

音階やトレモロなどの音型による各指の独立、とくに3,4,5の指をよりクリアに独立して動かすトレーニング。

17~29番

さまざまなパターンによるアルペジオ。7の和音のアルペジオは5-4-3の指間の感覚を身に付け、1の指の指くぐらせと連動した手首、腕の動きをトレーニング。

30~35番

指を寄せたり開いたりを素早く行う音型によって、より動かしにくい5-4-3の指間の開閉運動をトレーニングします。

36~43番

主に3度の重音練習。レガートや分散和音に3度が含まれている音型。重音の運指パターンとバランス、連動した手首や腕の動きをトレーニングします。

44番

4-3-2-1の運指で全音階と半音階の混在した音型を軽やかに弾く練習。全音と半音の微妙な鍵盤の幅の違いを瞬時に把握しながら素早く指を動かすトレーニングです。

45,46番

和音とオクターブによる連打練習。
指先の緊張感と腕の脱力、手首との連動した動きをトレーニングします。

第2部 25のエチュード

1~10,12,20番


5-4-3の指の独立運動の音型を重点的におりこんだ練習曲。ユーブンゲンよりもメロディックで豊かな和声進行になっており、楽曲としても楽しみながら練習が出来ます。

11番

コラール風の練習曲。2分音符の保続音に対し4つの8分音符の動きを特殊な運指によるレガート奏法の課題。

13,14,19番

重音によるレガート運指と、重音と保続音を含む分散和音の練習。指先の力と指間の広がり、手首の柔軟性をより実践的な音型によって練習します。

15番

重音によるスタッカート奏法の練習曲。ロマン派以降にしばしば登場する重要な音型で、手首や指先の練習に加え腕の左右上下運動を練習します。

16番

32分音符の半音階と和音を組み合わせた音型による練習曲。ffの指示がされているので、指の支える力と瞬発力を同時に求められるパッセージの練習になります。

17番

10度跳躍のスタッカートと保続音のメロディーラインを含むレガート跳躍の練習曲。跳躍音型のスタッカートとレガートの手首や指先の動きの連動の仕方の違いを練習します。

18番

スタッカート和音と16分音符アルペジオの組み合わせた音型による練習曲。ffでの指先を支える力のトレーニングと、手首の上下動と回転運動の素早いスイッチを練習します。

21番

オクターブによるトレモロの練習曲。黒鍵に4の指を当てる運指の練習と各鍵盤の位置によるトレモロの動きの違いを練習します。

22~24番

重音によるレガート、スタッカートの運指と、重音とメロディーラインの保続音を含む分散和音の練習。13,14番より和音構成音が増え、より指先で和音をキープする力と指間の広がり、手首の柔軟性を実践的な音型によって練習します。

25番

オクターブのスタッカートとアクセントスラーの音型による練習曲。連続したオクターブの奏法に必要な腕や手の甲の筋肉トレーニングと、ロマン派以降の作品に頻出する実践的な音型を練習します。

教材

【基礎練習のお供】