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レッスンにおける伝わり方の違い③

2016年8月30日

伝わり方の違いの2つ目「本来の身体の使い方の違い」について述べていきます。これは、レッスンを受ける側よりもむしろ教える側が分かっておかなければならないことです。

より効率よく大きな音を出したり、弱音をきれいに粒を揃えたりするという技術は、簡単に習得できるものではなく、様々な要素が必要となっています。そのコツを伝える時、当然のように自分自身が得たやり方が最善だと教授する側は考え、強くその方法を薦めてしまうことが多々あります。その場合すぐに対応できる人もいれば、全くもってどうにもならない人にも出会った経験は無いでしょうか?

もちろん個人の能力の差もありますが、その違いには一言では済まされない大きな理由が存在します。人には本来の身体の使い方の癖があるのです。簡単に言えば身体の重心の位置が前後上下に人によって違うということです。

身体の使い方の理論「4スタンス理論」によると、重心がつま先、かかとのどちらにあるかで大きく2つのタイプに分かれ、後は指の力の入り具合や、身体の前後どちらに傾く癖があるかなど、様々な要素を組み合わせて、4つのタイプに分類されています。

その特性を知り、本来の自分の身体の使い方に沿ったパフォーマンスをすることで、無理なく身体を動かせる事ができると言われています。この理論の存在を知ったことで、自身のやり方を一方的に教授する事の危うさを知ることができます。

ピアノ演奏においてそのタイプの違いは、演奏スタイルの見え方に大きく現れています。筆者が感じる動きの違いは

1.腕の構え
2.足の踏ん張り方
3.指の軸
4.座るときの動作

違いがあるということを認識し、アドバイスしたりレッスンを受けていくことが大事です。しかし理論はあくまで理論です。そればかりに頼るのではなく、自分自身が「その音」を目指して耳を研ぎ澄まし、本来の自分の身体の使い方で何度も繰り返し練習をして、自分自身で確立していくというのが、何よりも大切なことです。