インヴェンション ②
インヴェンションについて
インヴェンション(BWV772〜786)は2声の対位法の練習です。平均律と同じようにC-dur(ハ長調)から順に書かれていますが、平均律はその理論上に存在する24調全てが使用されているのに対し、インヴェンションは鍵盤楽器演奏において実用的な15の調性で書かれています。
演奏する上で実用的な調性で作曲されている事から、作曲技法と鍵盤楽器演奏技術の両方を目的とした教材として書かれたことが推測されます。
難易度
各曲の構成と難易度は以下の点が考えられます。1,2は楽曲の理解、3,4は演奏技術です。
1.要素の数
2.主題と対旋律のフレーズの長さ
3.テンポとレガート
4.トリル
要素の数は主題、対旋律、経過句などの種類が多いほど複雑になり、主題と対旋律のフレーズの長さも長くなるほど難しくなります。
テンポ面では、古典ロマンの親しみやすいメロディよりも少々難解な弾きにくい音列のバッハの各旋律を、速く弾かなければならない場合は指捌きに難しさがあり、ゆっくりのものはレガートに難しさがあります。
トリルは短い音に素早くリズムを崩さず入れる事と、長い保続のためのトリルを均一に弾く事に難しさがあります。
これらの各点を総合的に考慮して難易度と習得順、演奏のポイントを考えていきます。
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※(2016/9/18)
BWV番号の誤植を訂正致しました。
787→786