モシュコフスキー 左手のための12の練習曲 Op.92
モシュコフスキー Op.92について
モシュコフスキー「左手のための12の練習曲 Op.92(12 études de piano pour la main gauche seule)」は、左手のみで様々な音型を強化するための教材です。
基礎練習カテゴリーのベレンス「左手のトレーニング」で、左手のための練習曲集を紹介しましたが、モシュコフスキーの「左手のための12の練習曲」は、ベレンスよりも一つの練習曲が少し長めで、より音楽的でなおかつ、ロマン派から近現代の作品に頻出する左手の音型や重要なテクニックが凝縮されています。
練習の効果
一日に2~3曲ずつを取り上げてざっと練習するだけでも、随分と左手の感覚が冴えてくるように感じられる練習曲です。アルペジオや音をある指で保持しながら別の指を動かすしたり、重音のレガートというトレーニングは他の練習曲や基礎練習で賄えますが、左手のみでメロディーラインと伴奏を弾き分けるという、ロマン派後期から特にラヴェルやラフマニノフ、スクリャービンなどに頻出するテクニックを身に付けることが出来るでしょう。
残念ながら日本国内版の楽譜は出版されておらずペーパーバックのみ。難易度を上げた左手のトレーニングをされたい方には役に立つ一冊となるでしょう。
各練習曲の成り立ちと分類
№1.4/4 Allegro energico
- アルペジオと音の保持
№2. 3/4 Allegro ma un pocp moderato
- アルペジオと音の保持
№3.4/4 Allegro ma non troppo
- 重音のレガート
№4.4/4 Aellegro moderato
- アルペジオと音の保持
№5.6/8 Andante espressivo ⇒ 2/4 Animato e deciso ⇒ 6/8 TempoⅠ ⇒ 2/4 Tempetuoso ⇒ 6/8 TempoⅠ
- 旋律と伴奏
- 和音奏法
№6.12/8 Presto
- 6度3連符の反復
- 分散和音
№7.2/4 Allegretto scherzando
- 和音奏法
- 旋律と伴奏
- 重音レガート
- アルペジオ
№8.4/4 Veloce
- アルペジオと音の保持
№9.4/4 Tempo animato
- 単音連打と重音
- アルペジオ
№10.4/4 Veloce et con leggierezza
- アルペジオ
№11.3/4 Moderato e cantabile
- 旋律と伴奏
- 重音レガート
- スケールとアルペジオ
- オクターブ
№12.4/4 Allegro impetuoso
- オクターブアルペジオ
- 和音跳躍