ツェルニー50番練習曲
ツェルニー50番について
ツェルニー50番練習曲は、モシュコフスキー15の練習曲と並んで次にロマン派の大家ショパンやリストのエチュードを弾くためにとても重要な一冊となります。原題は
「Kunst der Fingerfertigkeit Op.740」(技術の芸術)
となっており、その名のとおり技巧的で華やかな練習曲です。これまでの30番、40番練習曲との大きな違いは、ツェルニー50番練習曲には各曲にどういった技術習得の目的があるのかが題されているところでしょう。
教材としての価値
楽曲のキャラクターは他のツェルニー練習曲より鮮明で、オシャレ感や音楽の深みこそはありませんが、簡潔で明快な和声進行と複雑すぎないメロディーラインで構成されています。
技術的には、ロマン派以降の作品には必須の様々な音型がより実践的に書かれており、一冊やり遂げることでどのようなパターンの技術が自分の不得意なものなのかがはっきりと浮き彫りになります。
ツェルニー50番の重要性
ピアノ中上級者において特に難しいのが跳躍と連打、重音の様々なテクニックです。その難しさは、瞬時に身体を音に反応させなければならない事です。かなりスポーティな要素が大きいため楽譜をじっくり見ながら弾くことは困難で、返せば暗譜で弾く事を要求されている事が考えられます。ツェルニー50番練習曲を含め他のツェルニー練習曲で暗譜の練習をしておくことは重要です。
ツェルニー50番練習曲をしっかり習得しておくことは、ショパンエチュードなどのロマン派以降の練習曲や近現代の技術的に難しい楽曲を弾きこなせるかに大きく関わってきます。音大芸大を目指す場合、中学生の間にはツェルニー練習曲を終えられておくことが望ましいでしょう。
教材と練習アイテム
【楽譜】
【練習には欠かせないアイテム】