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モシュコフスキーの練習曲

2016年7月26日

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モシュコフスキーについて

モシュコフスキーは1854年に旧プロイセン領(現ポーランド)のブレスラウで生まれ、ドイツ、フランスで活躍したピアニスト、ピアノ教師でもあった作曲家です。自らの作品を演奏するピアニストとして華々しく活動し、また教育者としても優秀でした。後世になると思うように手が動かなくなってしまったことから更に後進の指導に力を入れていったといわれています。

作品について

ピアノ音楽の作品スタイルは大きく、サロンなどで少人数の聴衆に対して演奏するものと、コンサートホールなど大規模な場所で大勢の聴衆に対して演奏するものとに区別されます。F.リストの作品が後者が多いのに対し、モシュコフスキーは圧倒的に前者の作品が多い作曲家で「サロン音楽作曲家」といわれて、残されたその殆どの作品がキャラクターピースです。

モシュコフスキーは生涯で作品番号100近くの作曲をしており、その中で「練習曲」と名のつくものは、以下8作品あります。

  • Op.24 3つの演奏会用練習曲
  • Op.48 2つの演奏会用練習曲
  • Op.64 重音のための練習曲集
  • Op.70 カプリス・エチュードと即興曲
  • Op.72 15の熟練のための練習曲集
  • Op.91 20の小練習曲集
  • Op.92 12の左手のための練習曲集
  • Op.97 16の練習曲集(テクニックのスケッチ)

演奏機会の多い楽曲

特に日本のピアノ教育で取り上げられているのは、ショパンエチュード導入前、ツェルニー50番練習曲と併用される「Op.72 15の熟練のための練習曲集」と、ツェルニー40番練習曲の導入頃に併用される「Op.91 20の小練習曲集」でしょう。

楽曲の特徴

モシュコフスキーの練習曲には、ピアノという楽器が飛躍的に進化し演奏技術も多様性に富んでいったロマン派時代を、自身がピアニストとして活動していたことが多く反映されています。新たなピアノ演奏技術に対する探求やサロン演奏で華やかに聴き栄えする奏法、それを習得するため実用的な作品が練習曲において軽快な曲調で書かれています。

まとめ

ここでは最もよく知られて、ヴィルトゥオーゾらが好んでアンコールピースに用いるOp.72 15の熟練のための練習曲集と、筆者がピアノ演奏技術習得において、最も重要と考える左手のスキルアップ用練習曲Op.92 12の左手のための練習曲集をとりあげていきます。

教材


モシュコフスキー 左手のための練習曲 Op.92
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